夏を少し振り返る

 月に一度の作業日、冴えない頭で1日を過ごした。皆が帰った後にやり残しの作業に取り掛かるが一度では済まず、明日に持ち越そうと諦めて退勤した。職場の近くの店に先に集まっていたおばちゃんのスタッフと飲み食いして帰った。
 夏は好きな季節だが、今年は暑過ぎて日中に出歩くことはほとんどなかった。服を買うことはほとんどなく、本屋によく行った。法事などで九州に二度行き、京都に一度行った。毎朝出勤する時間帯に小学生の子どもたちが大勢連れだって登校していたが、夏休みは姿を見かけることがなかった。今日は久し振りにまた、大勢の小学生が歩道を歩いていた。電車の乗降客の動きも少し違うようだった。夏も終わるのだ。

引っ越して暮らしを整える

 大阪にやって来てから1ヶ月が過ぎた。異動前の手抜かりのお陰ですっきりしないところがあるにはあるが、それでも環境が変わるのは自分にとってやはりよかったのだと思う。生活のリズムがかわって、朝は何かしら食べるようになった。朝食と言えるほどのものではないが、高校時代から朝食べなくなって何十年も過ごして来たことを考えると、体にとっては良いことなんだろうかという感触が少しある。
 夜は寝る時間が今までよりも早くはなったが、それでも朝なかなか起きられず、仕事のある日はバタバタと家を出て、真っ直ぐの道を南へ歩いたり走ったりしながら地下鉄の駅へ向かう。お寺の立ち並ぶ筋の遠く向こうに夜の街の看板が見えるという珍妙な取り合わせはそれとして、お寺の前を通りながら何となくありがたい気分になることもある。
 地下鉄から大きなターミナル駅で私鉄に乗り換えて、郊外の街にある職場に向かう。電車は高架を南へひた走り、窓の外の景色は段々とローカルな佇まいを増していくが、海は見えなくても路線が海沿いを走っているというので何処となく解放感がないこともない。
 食事と睡眠が多少整ってきたからか、やたらと疲れることがなくなり、休みの日も何とか午前中には目が覚める。今は自分の長年の悪習が少しずつ変わり行くことに戸惑いも覚えつつ、転居が功を奏したのだという実感もある。とは言えまだたったのひと月だ。
 引っ越しはやっぱり大変な作業で、荷物が多くなるだけ荷造りと荷解き、諸々の手続きなどやることも細々あり、頻繁にするもんじゃない。不用品はろくに整理できず、本や楽器は大分実家に残してきた。新しい住まいでは生活スペースにゆとりが出来たから、普段寝起きする部屋は割合すっきり仕上げられた。一方で整理できなかったものは別の一室に溜まっている。引っ越し後手付かずの荷物も、何個もその部屋に残っている。この1ヶ月、仕事を終えて帰宅した後の時間や休みの日を使って片付けをしたり必要なものを揃えたりしてきたが、ものはやっぱり持ち過ぎない方がよい。

いろいろと思い返したりもする

 季節はすっかり秋になり、今暮らしている山の盆地の町は夜になるともう寒いくらいだ。休みになると、昼過ぎまでたっぷり寝て起きても何もやる気になれず困る。そして何もせず夜になる。何でも億劫なのが気候の変化のせいなのかは分からないし、元々休みの日はそんな状態だったような気もする。10月の終わりにやっと夏の洗濯物の山をしまったくらいで、狭い部屋の中がどうにもあちこち散らかってよくない。遠出して買い物したものも何となく置いたままになっていて、昨日や今日がそのまま放置されて何か月も過ぎて行っているようだ。
 さて日々の暮らしのそんな有様はさておき、最近は何となくポピュラー音楽に関する書籍を続け様に買っている。東京にいた時に気になりながらも見過ごしていた『ビル・ブルーフォード自伝』と『ブリックヤード・ブルース』は、偶然だがどちらもイギリス出身のドラマーの自伝だ。後者の著者で主人公のキーフ・ハートレーは2011年に亡くなっている。共著者のイアン・サウスワースの『200CDブリティッシュ・ロック―1950‐2003』は、都立図書館の開架にあるのを手に取って気になっていながら購入の機会を逃し、後から練馬区の図書館で借りて中身をチェックしたことがある。10数年前の本が書店取り寄せで新刊で購入できて、ありがたいことだった。それにしても年月は経つものだ。手に入る時は何とも思わないでいるのに、入手困難になった途端に焦って動き始めるというのは間抜けなことだが、多分自分にはそういう所が多くあるのだ。
 珍しく買ってからさっと読了した向井秀徳の『三栖一明』は、後追いのファンもどきの自分のような者でも面白く読めたから、ナンバーガールの頃からのファンにはたまらないものだろう。ナンバーガールは活動期間が自分の学生時代と重なるから、当時のことをいろいろと思い返さずにはいられない。三栖氏が8月の同著出版の展示会終了に際してtwitterで発した、バンドの曲名でもある「センチメンタル過剰」というコメントに、外野にいながらも何とも言えず胸を打たれた。
 そんな読書の日々(というより本を買い求める日々)のきっかけになったのは、ボウイの死後に出版されて入手したものの途中で読むのを中断してしまっているトニー・ヴィスコンティの自伝のような気がする。これまでは録音された作品やそれにまつわる幾つかの発言・情報でしか触れることのなかった人物たちに、こうした読書体験によって本の記述を通して生きている人としての作品とは別のところにある奥行きを感じるし、そう感じること自体が新鮮で、人として再発見することになって面白い。
 本は増えると置き場に困るからしばらく余り買わないようにしていたが、今は何となく買いたくなる時なのだろう。大抵の場合積読になりかねないが、そうならないようにしたい。

家で晩飯を作る

 今日は休日だった。頼んでいたCDを午前午後の二度に渡って受け取り、夕方から数時間寝て、ほとんど眠って過ごした一日だった。今日届いたものと、9月末に新宿と京都で買って置きっ放しになっていたCD(未だにフィジカルで購入する日々)を合わせるとまとまった枚数になり、そのままにできないので整理して棚に収めた。
 午後の寝起きのぼんやりした感じで冷蔵庫からスーパーの弁当を出して食べ、バートヤンシュの初期作を流し、夏からずっと魔窟のようにたまっている洗濯物を今日は片付けようかと思いはしたものの、遅すぎる午睡が長くなってしまい、それも叶わなかった。研修で行った大阪で買った力士最中の最後の一つを食べ、にわかに晩飯を食べたくなり、2ヵ月振りくらいで豚肉の野菜炒め(もやし)を作って食べた。良くも悪くもかわらない味だ。10年以上、こんなのばかり作って食べてきた。夏はやたらと忙しさに追われる気分でスーパーの弁当や普段はめったに食べないコンビニ弁当でしのいでいたが、作って食べるのは大事なことだ。と晩飯を食べて思った。コンロを使ったせいか部屋の中が暑くなった。

騒ぎ出す季節

 駐車場から道路に出る1m程のスロープに、数日前からとかげが変な格好でオダブツしている。なんでそんな恰好で、と不思議に思うが、住人に何かされたようにも思えず、気になりながらもそのままにしている。アリが何とかするには大きすぎるが、かわりに何となくミイラになりつつある。夏のさなかに往く生き物がいる一方で、バイクにかけたレインコートに小さいヤモリが隠れるのを見かけた。これからまだ大きくなるのだろう。
 先日のこと、夜中に帰宅したときに階段で仰向けになっていたセミが朝もそのままになっていたので、羽を持ちあげたところブウーンと飛び立っていった。カナブンが時々ひっくり返って戻れなくなっていることがあるが、あのセミは一体夜中の間仰向けのままどうしていたんだろうと考えるがよく分からない。職場では、どこから入って来たのか分からないが、仕事に使う道具の陰にあまり大きくないバッタがつかまっていたから外に出した。駅のエレベーターにもバッタがつかまっていて、外まで連れて行ったことがある。バッタも勢いよく飛んでいくもんだ。
 そんな風にいなかは生き物たちの暮らしとの境界線があいまいに感じるが、町屋に住んでいたときには京成線の車中でカミキリムシみたいなのが服にとまってきたことがあった。虫は飛べるから、どこにでも入ってきてしまうのだ。しかし、こんなにも虫がそこらにいるのは、やはり街ではないからだろう。近所の川沿いの通勤路は雑草が伸び放題で、標識がすっかり見えなくなってしまった。夏はそんな季節だ。

後回しにしていたことをする

 齢を重ねる毎に何かを忘れたり失くしたりすることが増えてきた。この間は途中下車した名古屋駅で新幹線の切符を取り忘れて、翌日乗車する時に気付いて改札口や拾得物窓口やみどりの窓口でかなり時間を取られた。それでも結局見つからず、再度乗車券を買ったのだが、数日後に切符が見つかったと連絡があり、購入金額を返金してもらうことになった。名古屋は3回しか行ったことがなくて3回とも特に観光もせず、地理もよく分からず人を特に親切だと思うこともなかったが、駅の人は大分親切で少し印象がかわった。あれだけ時間をかけて見つからなかった切符がどこで見つかったのか気になるが、それもその内忘れるだろう。
 休みの今日は切符代返金の手続きのため、再購入の切符を郵便局へ持って行こうと準備して、ついでにスマートフォンのSIMカードの返送もすることにした。前に使っていた画面割れのスマートフォンがいよいよ使えなくなり、去年の秋に新しいスマホを購入したが、一つの契約で2つの回線を維持している状態で、月額が安いとはいえムダ金を支払って数か月が過ぎて行った。つくづく間抜けなことだが、そういうことに無頓着なところがある。やり忘れていたことをこの際ついでにやっておこう、と返送の手続きをするためにいろいろ書類を探したり電話で確認したりしてこれも大分時間がかかった。
 雨の合間の曇り空の下郵便局に行き、2つの郵便物を出し、スーパーに行った。ふと、2年前の夏に鹿児島に竹やぶ刈りに行った時のことを思い出した。あの時はバテないようにと、毎日のようにホテルの自転車を借りて約2km離れたところにあるだだっ広い駐車場のあるだだっ広いスーパーに行き、弁当やらいろいろ買いに行っていたものだった。そんなことを思い返しながら、バテないようにとレバニラ炒めを買った。

時々思い出す

 夜はまだ肌寒く、10年くらい前に買ったジャケットをよく着ていたが、いつも同じだと飽きるので大学3年の頃に買ったEDITIONの上着(あの頃はまだ独立した店舗ではなかった)を何度か着た。作りが少し大きめだったため敬遠して余り着ていなかったが、こうして時々引っ張り出してみると却って新鮮な気持で着られる。案外いけるわい、と思って少しいい気分になっていると、ボタンが一つついていないのに気付いた。それでボタンがなくなったのも着なくなった原因の一つだったのを思い出した。
 そんな5月も間もなく終わる。今日は夕方外出して夜帰るまで、シャツ一枚で平気だった。やっと使い慣れてきた広島駅の改札が新しくなっており、駅員が何人も案内係で構内に立っていた。帰宅してから洗濯物を取り込み、めったにないことだが放置せず片付けた。家の中で蚊に刺された。もうそんな季節だ。

落ち着かない天気で春になる

 新しい楽器が家に届いてスペースを作らないといけなくなり、少しだけものを片付けた。引っ越してきてからゴミ捨てのルールが違っていて何をどうしたら良いのか分からずに1年を過ごしてきた。市役所のホームページで調べてもよく分からないので、ゴミの担当課に電話で尋ねてみたら丁寧に教えてくれた。ゴミの収集所が市街地から離れている所にあって、都内では粗大ゴミ扱いになっていたものも持ち込めば無料で回収している、ということだった。車を使う暮らしにあった仕組みだと合点がいった。電池や電球も別の収集所で回収しているということだった。
 電話の後も別の用事に取り掛かっていたが、春になって暖かくなったことだからとふと思い立ち、さっき教えてもらった収集所へ原付で不用品を持って行くことにして、適当に支度をして出かけた。もう夕方だったが原付で走っても寒くはなかった。困ったのは行き方を調べた道路が工事中で通れなかったことだ。工事現場の当番のおじさんに道を聞き、時々自分でも道を調べながら辿り着いたときには受付時間を過ぎていたが、お詫びすると受け取ってくれた。こうして用事を済ませた頃には帰宅する車が多く、交差点は込み合っていた。スーパーに寄って食材を買って帰った。ぼやぼや過ごしてどうしたらよいか分からないで置いておくことがよくあるが、何でも聞いてみると分かることがあるのだ。原付で外出できる暖かさの昨日とうってかわって、今日は雪が降った。冬はいつの間にか何処かへ往き、春がまたやって来る。

チ・チ・チ・チェンジズ

 美容院の人に「スタイリングがしやすくなる」と言われ、その気になって学生の頃以来久し振りにパーマをあててもらった。おっさんになった今、思うのは父もずっとパーマだったことだ。
 カットの終わった自分の頭を美容院の鏡で見たら、ザ・フーでデビューした頃のロジャーダルトリーみたいなくるくる頭だった。齢にあわない印象に若干たまげつつ、パーマをかけたときはこんなもんだったかも知れないと思い返しもし、幾らか愉快な気持ちになってまた職場に戻って雑務を片付け、夜中にラーメン屋でいろいろ飲み食いして帰った。
 帰宅して鏡を見て、こういう人いるよな、と漠然と思っていたのが藤子不二雄のマンガの小池さんだったのだと合点がいった。そうだ。小池さんだ。これはスタイリングで何とかするしかない。モダンなイメージを思い描いていたのにギャグみたいな頭になったものだ。そんな啓蟄の頃だ。広島の山の盆地に引っ越して丸一年経った。

一年を振り返ってあれこれ語る

■アルバム
1. ザ・なつやすみバンド / PHANTASIA
 最初に聴いたとき、新鮮さと音楽的なチャレンジという全2作の良い部分が結実したアルバムだと感じました。音楽作品を賞賛する言葉はいろいろありますが、このアルバムを言い表すのにどんな表現も大げさでうまくあてはまらないように思ってしまいます。それは素敵な演奏と歌で築かれたこの作品に寄り添う瑞々しさに決まり文句が似合わないからかも知れません。ごく個人的な印象になってしまいますが、多分これからも忘れられない一枚になるような気がします。
2. TAMTAM / newpoesy
 名前だけ知っていたバンドで、音楽ニュースサイトで見た全曲紹介の短い動画が耳に残り、待ち望んで買って聴いた一枚です。それまでに聴いたことのないタイプの音楽がとても新鮮で、ステッパーズというリズムに独特の勢いがあり、何より馴染みのないスタイルでもしっかりと届いたのは歌の魅力が大きかったからかも知れません。新しい音楽って面白そうだな、と強く思うきっかけにもなりました。いろいろな変化を経て過去の曲は演奏しないと決めたということですが、そんな決心とメンバーの音楽に向かう楽しさが形になったアルバムなのかも知れません。
3. 片想い / QUIERO V.I.P.
4. 潮田雄一 / 水のない海
 ザ・なつやすみバンドの岡山公演の対バンで、サポートメンバーとして出演していたのを見るまでは全く知らない人でした。バンドのギタリストとしての活動と共に自身の弾き語りも行っており、このアルバムはフィンガーピッキングのギター演奏を主体として彩りのあるアレンジも交えた現代のフォーク作品となっています。英国フォークの良さを消化し、派手ではないがしっかりと立っている作家性に、「こんな人が今の日本にいたのか」と驚くばかりでした。
5. cero / Obscure Ride
 発売時に気になっていたものの、余りにも高い評価が世間に溢れているのに購入をためらっているうちに初回盤を逃して以降すれ違いになっていたバンドでした。Youtubeでライブ演奏を見るにつけ面白い音楽性に魅力を感じながらも、特に同じ男のバンドだから影響を受けてしまうんだろうなと心のどこかで避けていましたが、広島に来るというので遅ればせながら聴きました。ライブに興味を持ったのはmc.sirafuがサポートをしているのを知っていたからですが、秋のツアーからシラフ氏とあだちの二人は参加しておらず残念でした。
6. あだち麗三郎 / 6月のパルティータ
 ceroと同じように音源は入手しない代わりにYoutubeで”ベルリンブルー”は頻繁に見ていたものの、その独特な佇まいに何となく近寄りがたさを感じていたミュージシャンで、mc.sirafuと同じ片想いのメンバーでもあります。ceroのメンバーの荒内が”ベルリンブルー”の作曲者と知ったことがちゃんと聴くきっかけになりましたが、思っていたよりも耳に馴染む作品で、ドラマチックなロックマナーも漂っているのが意外なくらいでした。自分は訳もなく用心深いところがあるので「良いと思ったら聴いてみた方が良いのだな」と気付かされました。
7. ザ・なつやすみバンド / パラード
 聴き手の勝手な思いですが、昨年の発売時には1st”TNB!”のピアノ主体の演奏に期待が大きかったためギターの楽曲をすんなり受け止めることが出来ず、他の曲でも演奏が馴染んでいないように感じていました。それで聴き込んでいなかったせいか、大分前の作品のような気がしていた程です。しかし”PHANTASIA”のリリースツアーでこのアルバムから表題曲を始め何曲も演奏されるので聞き直し、良さをあらためて確認しました。聴き手は勝手なイメージで好みをえり分けてしまいますが、時間が経てば客観的に受け止められる、そんなところも音楽の面白いところです。
8. ふくろうず / だって、あたしたちエバーグリーン
 ふくろうずはドラムが脱けて以降ボーカル・ギター・ベースの3人でやってきましたが、やはりドラマーと一緒に作るものがダイナミックで良いと思います。リリースツアーには元メンバーの高城が参加していましたが、レコーディングには以前からサポートしている来来来チームの張江が携わっています。
9. モーモールルギャバン / PIRATES of Dr.PANTY
 アレンジは前作の流れで、キーとなるテーマとして「パンティ」を再び手にし、ユニークなビジュアル系とも言えるようなメイクと衣装でヘンタイの道を突き進む姿にメジャーデビューした頃のTシャツ時代を思い出して大丈夫かなと心配してしまうこともあります。しかしながらそうした定番のテーマや見た目の記号性だけで語るわけにはいかない、信頼できるバンドです。
10. 吉田ヨウヘイgroup / paradise lost, it begins
 TAMTAMのボーカルkuroが参加しているというので聴いてみました。西田修大というすごいギタリストがメンバーです。収録曲”サバービア”で「この路線の駅前はどこも似過ぎてる」「どの街でも判で押したような場所が繰り返す」と自分のいる場所について歌いながら、最後に「だけどさっき目が覚めた 君が道を 通り抜けると 空気が裂けて 木々がざわめく」と語られるある感情にはっとさせられます。
11. 森は生きている
 気になっていたバンドでしたが、知らない間に解散してしまっており、もし廃盤になってしまったら聴くことが出来なくなるんじゃないかとふと要らぬ心配をして直ぐ購入したものです。目当ては”日々の泡沫”でしたが、全体的には土臭さよりもほのかに感じさせる都市性が印象に残る作品でした。
 余談ですが、TAMTAMをはじめとしてこの15選の中にP-VINEのCDが4枚あるのに気付いて、 ニッチな洋ロック系の本を出版していた元ブルースインターアクションズということくらいしか知りませんでしたが、何か面白そうなところだと気になっています。
12. 優河 / TabiJi
 10月に行われたザ・なつやすみバンドの「ツアーファンタジア番外編」のゲストで知った若いシンガーで、歌の表現力が他の人と違うところに興味を惹かれました。「番外編」でMc.sirafuと一緒に演奏していた新曲も印象に残り、新作が楽しみです。
13. 湯川潮音 / セロファンの空
 この人の音源は今年初めて聴いたのですが、英国フォークとかサイケデリックの雰囲気を織り交ぜつつ清廉な歌声で聴かせるユニークな音楽性に驚くばかりです。
14. うつくしきひかり
 今年は”PHANTASIA”をきっかけになつやすみバンドの音楽にこれまで以上にのめりこもう、と聴けずにおいたこのアルバムをいざ探しても置いていませんでした(新宿のタワレコには2枚ありました…)。バンドとは違った資質がよく見えますが、この作品に関しては「ザ・なつやすみバンドとうつくしきひかり」というより”TNB!”と並べて聴くと面白いかも知れません。
15. HERON
 何を見ても「木漏れ日フォーク」という形容が目に入る英国フォーク作品ですが、言葉通り野外レコーディングで小鳥のさえずりなどが音源に残されています。フォーク好きにはたまらない一枚でした。

■楽曲
1. ザ・なつやすみバンド / ファンタジア
2. TAMTAM / 星雲ヒッチハイク
3. TAMTAM / CANADA
4. 潮田雄一 / 夢を見た
5. ザ・なつやすみバンド / Odyssey
6. ザ・なつやすみバンド / ラプソディー
 2作目の”パラード”収録曲です。中盤の民謡的なパートを経て、息急き立てる終盤の盛り上がりはライブのハイライトの一つでした。
7. ザ・なつやすみバンド / 蛍
8. ザ・なつやすみバンド / 森のゆくえ
9. あだち麗三郎 / ベルリンブルー
 これは多分名曲だと思います。ceroの楽曲は高城の手掛けているものが多いようですが、この曲の作者である荒内のスタイルが興味深いです。
10. 吉田ヨウヘイgroup / ユー・エフ・オー
11. ふくろうず / 春の王国
 ふくろうずは「春」を含む名前の曲がいくつかありますが、これはそんな春シリーズの名曲の一つです。ふくろうずは”砂漠の流刑地”の”ユニコーン”や”テレフォンNo.1″の”春の惑星”のように、アルバムの中に時々ロックバラードタイプの曲を収録していますが、ふくろうずの魅力の一つと思います。自分はそんなところに胸をうたれてしまいます。
12. 片想い / Party Kills Me
13. 優河 / 舟の上の約束
14. モーモールルギャバン / Dr.PANTY
15. モーモールルギャバン / モスコミュール・メルシー
16. 片想い / 感じ方
17. 森は生きている / 日々の泡沫
18. bonobos / 三月のプリズム
19. 片平里菜 / この涙を知らない
20. The Pentangle / Sovay

 一年の終わりに、聴いてきた音楽をアルバムと楽曲で振り返ってみたいと思います。環境の変化で自分の音楽の聴き方も変わり、以前と同じでなくなって大変なところもありましたが、特に今の時代の新しい作品に意識が向かうようになったのは良いことでしたし、収穫でもありました。そんな振り返りですが、どうしても暮らしの振り返りになって自分語りばかりになるのはご容赦下さい。