秋の日に蝉が鳴く

 長い休み(有給休暇)を経て仕事に戻ってから約一ヶ月、新しい勤務地で仕事を始めてから3週間が経った。最近になってやっと片付けるべき具体的な仕事を得たので、当面はそれに向かうというところだが、手探りとしか言いようのない日々だった。これから先もそんな風に過ごしていくのだろう。大変だ、大変だと思っている中で結局は自分でいろいろ確認したり調べたり教わったりしながら一つ一つやっていくしかないのだと気付くと、先の道筋も見えてくるような気になる。
 新しい配属館は区境にある古い所で、隣接区の人たちもよく利用している。昨日と今日、はじめて自転車で通勤してみた。昨日の帰り道、交差点で信号が青になるのを待っていると、蝉の鳴き声が聞こえてきた。時々そういう蝉がいる。
 細道から大通りに向かうと、すっかり日が暮れた夜の空に雲が浮かんでいるのが見える。千川通りと新目白通りを貫くまっすぐの道を自転車で走っていたときによく見ていた記憶のある空だ。周囲に立ち並ぶ家並みの向こうに見えるそんな景色が、僕にとっては東京の夜の空だ。

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