新しい街に暮らす

 新しい仕事が始まり、毎日早起きしているせいか休日も午前中に起きられている。そうかと言って何が出来るわけでもない。休日とはそういうものだと思いながらも、何かしようと午後も大分過ぎてからリサイクルショップと郵便局に行った。しかし郵便局は祝日で閉まっており、リサイクルショップでは持ち込んだ品物を買取できないと査定され、出鼻をくじかれながらも気を取り直して家から少し歩いたところにある地下鉄の駅に向かった。そこから20分程移動し、ほとんど乗ったことのない銀座線に乗り換えて表参道の器屋に行った。店で九谷焼のお皿を2枚購入し、曇り空の都会の街並みをぶらぶらと歩きながら、大阪の心斎橋の景色を思い出していた。大阪の街は案外きれいだったのかも知れないような気がした。
 原宿駅に近付くにつれて、アジア系の観光客と若者が増えていった。大阪でも難波などは日本人の方が少ないと思うときもあったくらいで、海外の旅行者が多いのは大阪も東京もかわらないようだ。
 山手線で新宿に行き、タワーレコードで不慣れそうなおじさんの店員さんに目当てのCDを探してもらった。大変そうだったので自分なりにしっかり言葉にしてお礼を伝えた。別フロアでは、案内してもらった若いスタッフが驚くばかりの丁寧な接客態度で、タワレコの接遇意識を改めて見せられた思いがした。
 再び電車に乗って最寄駅で降りて、スーパーで食材を買い、一週間分の晩飯を作った。帰りのエレベーターで引越しの日にたまたま挨拶した同じ階の方と一緒になり、「慣れたら暮らしやすいところですよ」と言ってもらったが、のどかな広島の山あいの町と戦前の風情の残る大阪の商店街で約3年を過ごした身には、以前住んでいたとは言っても東京の都心の暮らしに馴染むのは時間がかかりそうだ。
 ともあれ今は知った街ではなく、これから知る街で暮らしているのだ。じきに慣れるだろう。せっかくだから良いところを見つけて行きたい。

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